地の粉
輪島塗の強さを生み出す下地

輪島塗の丈夫さを語るうえで、欠かせないのが「地の粉(珪藻土)」です。
これは輪島周辺で採れる珪藻土を細かい粉末にしたもので、
漆と混ぜることで“石のように硬い下地”をつくりだします。
地の粉 × 漆が固まると、
衝撃に強い・割れにくい・形がゆがみにくいなど
驚くほどの強度を持つようになります。
つまり輪島塗が“100年使える器”といわれるのは、
この地の粉による独自の下地づくりがあるからこそ。
地の粉を使って下地を固めていくこの工程は、
輪島塗だけに伝わる特別な技法なのです。
布着せ(ぬのぎせ)
地を守る「天然の強化繊維」

輪島塗の驚くべき強さを支えている技法のひとつが、
「布着せ(ぬのぎせ)」 と呼ばれる工程です。
これは、器の木地に麻布を貼り、その上から漆と地の粉を重ねていきます。
漆器は本来、木でできているため時間が経つとひび割れを起こしたり、
縁や底が欠けたりしやすいものですが、輪島塗では木地に布を密着させることで、
ひび割れや欠け、割れを防ぐ
縁や底など本来弱い部分が強くなる
長年使用しても形がゆがみにくい
など、高い耐久性が生まれます。
また、布着せには、漆の粘り・木地の吸い込み・布の目の細かさなど、
細部まで職人が見極める繊細な技術が必要です。
布着せは表からは見えない工程ですが、
輪島塗が「一生もの」「孫の代まで使える器」といわれる背景には、
この目に見えない職人の仕事がしっかり息づいているのです。
分業された124の工程
6種類の職人が積み重ねる堅牢優美

ひとつの輪島塗の器には、
実に124もの工程と、
木地師・下地師・塗師・蒔絵師・沈金師・研ぎ師という
6つの専門職人が関わります。
木地づくりから下地、塗り、加飾に至るまで、すべてが高度な技術の積み重ねです。
ひとつの器に多くの職人の技と時間が注ぎ込まれ、
使うほどに美しさを深める“唯一無二の器”が生まれます。




