輪島塗の色漆
美しさのひみつ

輪島塗の色漆は、天然漆に天然顔料を丁寧に混ぜ合わせてつくる
“自然が生んだ色”です。
漆本来の透明感と光沢が、顔料の粒子をやわらかく包み込み、
ほかの塗料にはない奥行きのある深い色を生み出していきます。
光の当たり方で表情が変わり、使うほどに深みのあるつやが生まれていきます。
それはまるで生きているように育つ色、それが色漆の最大の魅力です。
輪島漆を彩る4つの色
温かみのある「柔らかな白」
漆は本来白く染まりにくいため、白は特に高度な技術が必要です。
天然顔料を漆の透明感が包み込み、真っ白ではなく、光を含むやさしい白が生まれます。
さらに、時間の経過とともに顔料が沈んでいくことで、器は白さが増していきます。
上品な美しさ「華やかな赤」
漆に辰砂やベンガラなどの天然顔料からつくられる赤は
漆の透明層を通して深さと温かみを帯びます。
派手さを主張することはなく、落ち着きと品があります。
日本文化においては、古くから“お祝い”を象徴する特別な色です。

光で変わる「静かな青」
青は鉱物顔料の粒子が大きいため、光の入り方で表情が変化します。
漆と混ざり、その光沢が加わることで、
青く美しい海のような透明感とみずみずしさをまといます。

無限の深みを宿す「呂色の黒」
輪島塗の黒は、磨きあげるほど光を吸い込むように深くなり、
鏡のように輝く呂色(ろいろ)が特徴です。最も格調高く、
漆の美を象徴する色とされています。

輪島塗のグラデーション
塗師の技のひみつ

輪島塗のグラデーションは、塗師が漆の状態を読み、
繊細な刷毛の動きで光の層を描く高度な技によって生まれます。
自然素材と職人の技が共鳴することで、唯一無二の深みと透明感を持つ、
美しい陰影が完成するのです。
最も高度な技は、色漆と黒の境目をぼかす工程です。
漆が乾く瞬間を見極めながら、
刷毛の角度やスピードを調整して、一気に境目を溶け込ませていきます。
やり直しが効かない工程だからこそ、塗師の技が光ります。

