なめとこ山の熊

「熊、おれはてまえを憎くて殺したのでねえんだぞ。てめえもクマに生まれたが因果なら、おれもこんな商売が因果だ。やい。この次には熊なんぞに生まれなよ。」熊捕り名人の猟師と熊の、厳しくも美しい自然の中での生命のやりとりの物語…。

動物園勤務で知識と愛情のある、あべ弘士。自然と動物への愛が溢れ、厳しい生と死の姿を見事に描きった傑作！

【プロフィール】
絵●あべ弘士（あべ　ひろし）
1948年、北海道生まれ。旭川市旭山動物園の飼育係として25年にわたってさまざまな動物を担当するかたわら、タウン誌への執筆をきっかけに絵本の創作を始める。1996年に旭山動物園を退職し創作活動に専念。
『あらしのよるに』（木村裕一/作　講談社）で講談社出版文化賞絵本賞および産経児童出版文化賞JR賞、『ゴリラにっき』（小学館）で小学館児童出版文化賞、「ハリネズミのプルプル」シリーズ（二宮由紀子/作　文溪堂）で赤い鳥さしえ賞、『どうぶつゆうびん』（講談社）で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞など、受賞多数。おもな絵本作品に『クマと少年』（ブロンズ新社）、『エゾオオカミ物語』（講談社）、『ライオンのながいいちにち』（佼成出版社）、「かわうそ3きょうだい」シリーズ（小峰書店）などがあり、画文集に『こんちき号北極探検記―ホッキョクグマを求めて3000キロ』（偕成社）や、エッセイに『あべ弘士　動物友情辞典』（クレヨンハウス）などがある。

●使用画材：グワッシュ(不透明水彩）、パステル／用紙：水彩紙（アルシュ）

【発行日】2007年10月17日